発達障害とは

発達障害とは、脳機能の発達に因る障害です。
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています【発達障害者支援法 第二条 定義より】
以下に発達障害を分類する図を示しますが、それぞれの障害の特徴が重なり合っている場合も多く、障害の種類を明確に分類することは大変難しいとされています。
また、年齢や環境によっても目立つ特徴が違ってくるので、幼少期と成長してからでは、診断名が変わることもよくあります。

発達障害の分類


主な発達障害の特徴
自閉症
3歳位までにサインが現れ、・他人との社会的関係の形成が困難・コミュニケーションが苦手・言葉の発達の遅れ・興味関心が狭く特定のものにこだわる という特徴があります。
急に予定が変わったり、初めて行く場所では不安になり動けなくなる。そんなときに周りが促すと、余計に不安になり大声を出してしまうなどもあります。
高機能自閉症
自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものを言います。
学習障害(LD)
聴く、話す、読む、書く、計算する、又は推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状態を指します。
知的障害、視覚障害、聴覚障害などが原因とするものではありません。
文章は理解できても書き写すことが困難だったり、10以下の数字の概念が理解できなかったり、右と左や昨日と明日の概念が理解できないケースがあります。特に、読むという能力に困難がある読字障害は、別名ディスレクシアといい、学習障害の中でも一番多いものです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものとされます。7歳以前に現れ、その状態が継続します。
授業中に座っていることが困難。おしゃべりが止まらない。すぐにお友達のおもちゃをひったくる。ゲームの順番がわからなくなったり、途中で投げ出してしまう。忘れ物が多すぎるなどです。
男の子は、女の子の数倍多いと報告されています。
アスペルガー症候群
自閉症のように幼児期に言葉の発達の遅れがないため、障害があることに気づきにくいのですが、成長とともに不器用さがはっきりしてきます。
・他人との社会的関係の形成が困難・コミュニケーションが苦手・言葉の発達の遅れ・興味関心が狭く特定のものにこだわる という特徴があります。
自分のことばかり話してしまい、話し相手に「話をやめてください」とはっきり言われるまでやめられなかったりしますが、例えば電車など好きな事になると豊富な知識に驚かされることもあります。

参考
- 厚生労働省 政府レポート 発達障害の理解のために
- 政府広報オンライン
- 文部科学省 特別支援教育について 主な発達障害の定義について
- アメリカ精神医学会 精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)